「ブンちゃん〜!!ジャッカル〜!!」 「あー、 。」 「お前、今日ぐらい静かにしろよ。」 薄紅色の花びらが舞い降りる中、一人の少女がかけてくるのを、俺と丸井はいつも通りに受け入れる。 いつも通りに見える風景。 だが、いつもと相違する点がある。 それは、三人の左胸に舞い降ちてくる花びらと同じ色の造花がついている事で。 「卒業おめでとう」と三人の声が澄み渡る青空にこだました。 エピローグ ―ハチミツ― 「ジャッカル、いよいよ私達、高校生だよ!!これはもう、一歩進んだ男女交際をしないと!!」 「しねぇーよっ!!!」 「相変わらずジャッカルってば照れ屋サンだなぁ。私、初めてだから優しくしてね。」 はそう言って俺に抱きついてくる。 俺はそんな をひっぺがそうと必死で叫んだ。 「しねぇって言ってるだろーが!!」 「あーあ、今日もまたジャッカル、ジャッカル!ってずりーよな。俺も に必要とされてみてぇ〜。」 「嬉しくねーよ!!」 「まぁそういうなよ。ジャッカルの事そこまで好いてるやつなんて ぐらいなもんだぜ。大事に…」 「あの…すみません。」 その時、後輩らしき女の子二人組が三人に話しかけてきた。 二人は、お互いに、ほらと言い合いながらお互いの肩を押し合っている。 はなんとなく察して、すぅっとブン太とジャッカルから一歩下がった。 「「せ、先輩、第二ボタン下さい!!!!」」 「えっと…俺?」 ブン太が自分を指差すと、一人の女の子が小さく頷き、隣に立っていたもう一人の女の子がブン太の隣を指した。 それに驚いた様子で、ジャッカルはポッと顔を赤らめた。 「……へ?…お、俺かよ?!!」 「あ、はい!!それともジャッカル先輩はもう誰か先約済…なんですか?」 そう言われて、ジャッカルは無意識に の立っている位置に目をやった。 だが、そこに彼女はいなかった。 「 ?どうしたの?」 に声をかけられて はそっと顔を上げた。 比較的、人目につきにくい場所を選んだつもりなのに、こうもあっさりと親友にみつかるなんて。。 きっと、今の私は相当ヒドイ顔をしているんだろうな。 そう思いながら、 をみると、 は心配そうにハンカチを渡してくれた。 「意外だね。… は卒業式とかであんまり泣かなそうなのに。それとも花粉症?」 の問いの口調と、背中をさすってくれる手が優しくて、 はまた涙腺を緩ませた。 「私…私、…失恋…しちゃったかも…」 「…丸井くん?」 「…っジャッカルだよっ!!」 「えぇぇぇぇ!!!! 、ジャッカル本気だったの?!!!」 「え?ジャッカルへの私の愛、本気だと思っていなかったの?」 「うん。」 「あんなにアピールしてるんだよっ!!」 「傍から見てるとじゃれてるだけだよ。」 「そ、そんな…この一年間、かなり本気で迫ってるのに!!一生に一度あるかないかの本気の恋なのに!!!」 「マジかよ。…俺もずっとからかわれてるだけかと思ってた…。」 その声に、 は思わず立ち上がった。 聞き間違えようのない声だ。 果たして階段の真下には、( にとっては)愛しき彼の姿があった。 「ジャ、ジャ…じゃっかるぅぅっぐぐぅ!!」 飛びつこうとジャンプした の頭上にふわっと何かが被さった。 掴んでみると、それは制服のブレザーで。 目の前のジャッカルは、ベスト姿で立っていた。 「めんどくせーからそれごとお前にやる。」 「…って、さっきの後輩のコは?いいの?!」 見れば、ジャッカルのブレザーには、第二ボタンがしっかりと光っていた。 「あぁ。アイツは丸井が『ジャッカルは貧乏なんだから、好きならボタンといえど取り上げないほうがいいぜ。』 とかなんとか言ったら、納得して帰ったぜ。」 「!!だったら、余計に私貰えないよ!!そうでなくても第二ボタンは『特別』なんだよ!!!」 「っぁあ!!やるっつてんだから素直に貰っとけよ!!お前は『特別』なんだから!!!」 売り言葉に買い言葉なのか。 はたまた…。 ともかくもそう叫んだジャッカルは、次第に頬を真っ赤に紅潮させた。 「ジャッカル!!それって、私の事愛しちゃってるって事?!!Do you love me? 」 「…//」 「おぉ?え、うそ?うそ?うそ?もしかして…図ぼ…」 「…Like that, whether to love you, too.It seems that it was your captive during when.」 耳元で、聞き取れるかわからないくらい小さな声でそう囁かれて はジャッカルを見上げた。 すると彼の唇が一瞬、 の首筋に触れた気がした。 「え?そ、それってどういう意味?//」 「さあな。」 Like that, whether to love you, too. (あぁ、お前の事愛してるかもな) It seems that it was your captive during when. (いつの間にかお前の虜になっていたみたいだ) その言葉の意味をジャッカルが教えてくれたのはもう少し先のお話。 END 流河さんのキリリクでジャッカル夢。 今回は卒業シーズンという事で、物語にも決着をつけてみたり。 兎にも角にも、この『君と僕との6ヶ月シリーズ』はこの話で一応最終回です。 続きを書くつもりは今のところありませんが 「いやいや、続き読んでみたい」という奇特な方がいらっしゃいましたら書くかも。 2005年03月31日 |