「チョコとガムって一緒にすると溶けるんだよね?」

「へ?何ソレ?」

がいきなりそんな事を言い出した。



「だから、チョコレートとガムって一緒に食べると溶けるらしいんだよ。」

そういいながら は美味しそうにチョコをほおばる。


「へぇ〜。おもしれぇ。」

「だよねー。最初に気がついたヒトってすごい!」

「そっかぁ?トリビアにしかなんないと思うけど。」


俺がそう言うと はなぜか熱く語ってきた。

「えぇっ!だってチョコとガムだよ!どう考えたって一緒に食べようなんて思わないじゃんっ!」

「そりゃあ…」



そう言いかけて俺はふとイイことを思いついた。



「こうしたんじゃねぇの?」



俺は、無防備にもスキだらけになっている の唇に自分の唇を重ねた。



「!」


予想どおり はビックリしてる。



けど俺の実験は終わっていない。



だってチョコとガムがホントに溶けるのか知りたいし〜。







「…ん……んっん」





俺は の口を開かせると舌を侵入させた。




二人の口内でチョコとガムが混ざりだす。


唾液とチョコとガムが混ざりあって

不思議な感触になっていた。





だが…







ガムが溶け出すとすさまじい不味さで身体中に悪寒が走った。










…げっ…。








俺は唇が離れると


あわててガムを出した。




「…気持ち悪っ…。」

「…ぶ〜ん〜たぁ〜っ!!人に勝手にキスしといてなに言ってんのっ!!」

「… …だってこれマジでヤバイぜ…。…マズっ!…ガムふにゃふにゃなのに…チョコ硬くて…
やべぇ…。」

「…たしかにマズイ。…けど私まで巻き込まないでよ…。」

はため息をつくとペットボトルのお茶を取り出して飲みだした。


「あ、ずっりぃ!」

「ずるくないもん。ブン太が実験なんかするから悪いの!」

「でも、元はといえばお前が言い出したことじゃん。責任とれつーの。」

「うぅ…。」

俺の言葉に は少したじたじしてる。

「てことで、俺も口直し★」


俺は のペットボトルを掴むとお茶を一気に喉に流し込んだ。


「あぁっぁ!!勝手に飲むなぁ!!」

が慌てたように怒鳴る。

いつも通りの過剰反応が楽しくて俺は思わずもっと調子づきたくなった。




再び俺は にくちづけをした。




そして飲みかけていた液体を の口の中に移した。


はさすがに飲み干せなかったらしく


液体は少し床に零れ落ちた。




「ちゃんと返したぜ。俺って天才的?」

「…どこが天才よ!」

「あ〜もう部活の時間だぁ。じゃ俺部活行くから。床掃除シクヨロ☆」

「あ…ちょ、ちょっとブン太〜っ!」

の困ったような声を背中に聞きながら俺はちょっぴり幸せ気分になった。












「アレ?ブン太先輩、ガムどうしたんッスか?」

「あぁ、溶けっちった。」

赤也に聞かれて改めてガムを食べるの忘れていたことに気がついた。

「ジャッカル、ガムとチョコは一緒に食っちゃ駄目だぜ。」

「は?何当たり前の事言ってんだ。そんなもったいねぇ事すんなよ。」

「だよなぁ〜♪」






次からはガムとチョコ抜きで二人だけのキスにしよっと。











やっぱりキス魔なブン太。ちなみにガム&チョコはマジで不味い。。
 2004年5月2日          克己